2020/10/06

ブラジルのマリリア市の寿司職人しんごさんの思い出    YouTubeブラジル散歩・サンバさんぽシリーズ


ブラジルに住んで13年最初はサンパウロ6年、その後ここマリリア市で7年が過ぎました。

 寿司職人であるしんごさんと知り合ったのはマリリアに駐在して魔もない頃です。まだしごさんのお父さんが生きていた頃におばあちゃんの法事をした時が最初だったと思います。その後おじいさんが亡くなってまたお葬式をしたり法事をしたり。お会いするたびにシンゴさんは自分のお店に来てくださいと誘ってくださっていました。私はまだマリリアに来たばかりでしたし一人でレストランに出かけるのも億劫な性格だったのですが法事に行くたびに親切に迎えてくれて印象が良かったこともあり、思い切って行ってみたのが最初です。

ブラジルのお寿司屋さんは色々とブラジルっぽい味付けになっていて、それも美味しいのですが、しんごさんのお寿司屋さんは日本の風味を残している珍しいタイプのお店でいっぺんに好きになりました。聞くと自ら魚を丸々一本直接買い付けて地元で捌いているとのことでした。

 サンパウロならともかく内陸地のマリリアで新鮮で厚切りの刺身やお寿司を握ってくれるお店は少ないのです。動画でも語っている内容ですがしんごさんのお店の歴史を妻のファビアが教えてくれたのですが、戦後貧しい時代にレストランを開店して貧しい人でもお腹いっぱいになれるようなレストランとして繁盛していたそうです。

その後お寿司屋さんという敷居の高い店になってからも安くてお腹いっぱいになれる定食メニューが高いメニューの中に揃えてありました。私もファビアといただきましたが一人分の定食を二人で食べ切れないほどでした。(しんごさんがいろいろサービスしてくれたからというのもありますが・・・)ご飯もお櫃で出てきて、おひつのおかわりが自由でしたので大きな体のブラジル人でもお腹いっぱいになったと思います。

 これはまた別の話になりますが、日本の小松時代に出会った芸術家の遊墨民カズさんがブラジルでその腕を奮ってくださった時もお店に一緒に行って楽しかった思い出があります。カズさんの素晴らしい絵がお店のお客に大人気でちょっとしたライブ状態になったのです。そのことはまた改めて書きたいと思います。 今回のYouTubeではそんな事をマリリアの町を散歩しながら話しています。一緒にぶらぶら散歩しましょう!



シュウちゃんねる
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ちなみに現在私の頭をカットしてくれているのはそのしんごさんの息子さんブルーノです。
しんごさんは残念ながら2年前に急逝されました。お店は残念ながらもうありません。
しかし、しんごさんの素晴らしい料理とその料理にも込められたあたたかい心は残っているのです。

2020/10/04

ブラジルの秋の彼岸花、Lirio 

  ここブラジルのマリリア市のお寺では日本の春に秋のお彼岸が勤まります。ポルトガル語ではOfício de Equinócio do Otuonoといいます。直訳すると秋分の日のお勤めとなり、彼の岸という意味は込められてないようです。説明すると長くなるので仏事の表記としては訳しにくいところなのでしょう。

秋の彼岸には日本では彼岸花が咲き、この話を巡ってむかしいろいろな出会いがあり日記にしています。

特に北陸のお寺時代に出会った言葉 

彼岸花 「葉見ず 花見ず 彼岸花」エピソードは印象的でした


 以前サンパウロの別院で彼岸の季節に似た花が咲いていたのでお尋ねしたら、長田ホーザさんがブラジルではリリオ(Lirio)といい、日本ではアマリリスと呼ばれていることを教えて下さいました。モジ・ダス・クルーゼスから持ってきてくださったとのことでした。

 


 この花はインドではマンジュシャゲと呼び、(日本でもその名前がそのまま曼珠沙華として伝わっています)また別名、秋のお彼岸(ブラジルでは春のお彼岸にあたります)の時期に咲くので、彼岸花とも呼ばれています。 仏教行事である、「お彼岸」がそのまま花の名前になるほど、日本では仏教の教えが季節の節目とともに人々の日常に浸透している一つの例です。

 私は今回の彼岸までブラジルには彼岸花がないと思っていたのですが、このリリオがヒガンバナ科であることを今回知りました。

日本から遠くブラジルにもお彼岸の時期に咲く花があることを知って、仏縁の有り難さをこの花を通して頂いた事です。 

 この華の特徴は、季節が秋から冬に移りまわりの植物が枯れても「彼岸花」の葉は緑いっぱいに茂り、冬の陽だまりの中で光合成をし、球根Bulboに栄養を貯めこみます。やがて季節が春になり周囲の植物たちが芽吹く頃、今度は葉が枯れて、球根は春から夏にかけて休眠状態となります。そして秋の彼岸の頃、何もなかった場所に数日にして茎を出して花を咲かせるのです。

 こういった習性は、まわりの植物たちと季節の時間差によって競い合うことを避けている、この彼岸花科の独自の智慧だとか。面白いですね。

 というわけでブラジルでは春のお彼岸、このマリリアのお寺では27日の午後2時から行われました。コロナの時期にもかかわらずお参りをありがとうございました。


※ 今回の記事は今も続いている私の別のブログ「新・坊主日記」からの転載し加筆したものです。現在引っ越しを考えていて、思い出深い日記を選んでこれからも時々加える事にしました。










2020/10/02

思い出の彼岸花 「葉見ず 花見ず 彼岸花」

 彼岸花 「葉見ず 花見ず 彼岸花」


日本で石川県小松でお彼岸の頃、お参りに行ったときの事です。
おじいさんが、亡くなったおばさんの遺影を見やりながら「”暑さ寒さも彼岸まで”といいますが、今年の夏は波のある天候だったけれども、時期が巡ってくればちゃんとほら、彼岸花が咲きました。」と廊下を隔ててある中庭をちらりと見やりながら、見事な花が植えもしないのに咲いておりまして、と感心しながらお話し下さいました。

 私も来る道すがら、田んぼの畦にスッとした立ち姿に、日の光の加減によっては、赤い炎を灯もしているような彼岸花に心を引きつけられていたので、おじさんのお話に、共感した次第です。

彼岸花の事を石川県では「葉不見 花不見」(はみず はなみず)と言うのだそうです。その事を知って、お参り先で他の方にもお尋ねすると、幾人かの人は「そうや、そうや」と知っておいででした。葉のあるときには花はなく、花のときには葉がない。このことから「花は葉を想い、葉は花を想う」という意味で韓国では「サンチョ(相思華)」と呼ばれて親しまれているそうです。

先のおじいさんも、来年からは彼岸花を見る度に、先に浄土へ立たれたおばあさんを思い起こすのでしょう。

コメントにも、「彼岸花」というと、不吉なイメージを抱くという意見がありましたが、それは球根が毒をもっている。タネをまきもしないのに知らぬ間にある日ふっと咲いている。寂しげな田んぼのあぜ道に咲いている、お墓にも咲いている、クッキリとした鮮やかな赤が、特に夕暮れにみると妖しく感じられる、などの理由があるようです。

しかし、わたしはなんだかこの花の儚さや立ち姿が好きなんです。この花と共に思い出すのが
「モチモチの木」などの挿絵なのです。斎藤隆介さん作・滝平二郎(たきだいら・じろう)さの絵のシリーズなのです。

「花さき山」の表紙絵絵を見てください。どことなく彼岸花ににてませんか?物語の中では「よいことをした時に咲く花」と書いてあるだけですが、よいことをした翌日にはすっと咲いている様が彼岸花の咲き方ともだぶります。そして、青色、黄色、赤色と私が実家で見た、いろんな色の彼岸花にも似ています。



さてさて、お話はこんなふうです。

「花咲き山」には、美しい花が咲く・・・。
それは、誰かが良いことをしたあかしなのです。
あやが迷い込んだ山は「花咲き山」だったのです。

『やさしいことをすれば花が咲く。命をかけてすれば山が生まれる。
 うそではない、本当のことだ・・・。』
花咲き山の山姥(山ンば)から、花咲き山の不思議を教えてもらい、あやが妹と母のために祭りの着物を我慢した時に、一輪の花が咲いたことを知ります。

でも、そのことを父母に話しても信じてくれません。
ですが、あやは時々いいことをしたり、見たりした時に、あの「花咲き山」のことを思い出すというお話です。

以上 号外「やまねこ通信社」さんより抜粋 



どうでしょう?彼岸花には、いいイメージもたくさんあるようです、彼岸花ほど様々なイメージを感じさせる花は珍しいかもしれません。

私は彼岸花が死をイメージさせるマイナスのイメージも含めて好きです。寂しさ、儚さ、そして少し心を不安にさせる妖しい部分も含めて、不思議と惹かれるものがあります。


仏教では「曼珠沙華」といい、『法華経』に天上の花として登場します。 おめでたい事が起こる兆しに、赤い花が天から ふってくるそうです。

ブラジルに時て13年になりますが今でも思い出すエピソードです。ブラジルには日本のような曼珠沙華は咲かないのですが同じ種類の花はあるようです。



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